お遍路で使う道具
歩き遍路をされているお遍路さんは、たいてい皆さん同じような格好をされていますね。白の上下の服に身を包み、笠をかぶり、杖をついていらっしゃる方がほとんどです。
もちろんそれらは、ただの制服のような感覚のものでは決してなく、それぞれに意味が込められていて、お遍路さんの一人一人が自分の持ち物を大切にされています。
ですが、最初から全てを揃えなければならないというものでもありません。いつも着ているもの、身に着けているもの、使っているもので始められても構いません。必要と思ったものは、その都度、巡拝をする中で買い求めていけばいいのです。
ただし、「納札」「数珠」「経本」「線香・灯明」は参拝道具として、最初の札所から必要になります。御朱印をいただく方は「納経帳」や「納経軸」、「白衣」のいずれかも必要です。
また、杖は「金剛杖」と呼ばれているもので、弘法大師の化身とされています。お遍路に金剛杖を携えることで、弘法大師とともに巡拝の旅をしていることにもなります。そういう意味でも、金剛杖は大変重要なものでもあり、旅の最初から必要なものとも言えるでしょう。
参拝道具の他にも遍路道具はさまざまあります。必要なものから、あると便利という程度のものまで、一人一人の状況によって、その重要度はかなり異なります。
何をどう揃えればいいのかわからないという方には、数種の道具をまとめた便利な「お遍路セット」のようなものもあります。